あん摩・はり・きゅう向け 国家試験対策【解剖学】4択問題と解説

あん摩・はり・きゅうの国家試験では、「東洋医学」と「西洋医学(解剖・生理)」の両方の知識が必要です。

今回のような4択問題で、効率よく知識の確認をしていきましょう!

1問:筋肉の起始と停止

次の筋のうち、肩甲骨に起始を持つ筋はどれか?

A. 上腕二頭筋

B. 上腕三頭筋長頭

C. 三角筋

D. 大胸筋

正解:B. 上腕三頭筋長頭

解説

筋肉は、体の特定の部位から「起始(始まり)」し、「停止(終点)」に向かって付着します。

• 上腕三頭筋長頭は、肩甲骨の関節下結節に起始を持ち、肘関節の伸展に関与します。

• Aの上腕二頭筋も肩甲骨から起始しますが、短頭・長頭がありやや複雑なのでひっかけ問題に注意。

• 三角筋は主に鎖骨・肩峰・肩甲棘から起始。

• 大胸筋は胸骨および第2〜4肋軟骨から起始

2問:経絡と解剖の関連

「足の太陽膀胱経」が通過する筋肉はどれか?

A. 僧帽筋

B. 前脛骨筋

C. 長橈側手根伸筋

D. 腰方形筋

正解:A. 僧帽筋

解説

東洋医学では経絡が身体の特定の部位を流れるとされていますが、解剖学的にもその流注を筋肉や骨格に当てはめて理解することが大切です。

「足の太陽膀胱経」は背部を縦走しており、僧帽筋や脊柱起立筋の上を通過します。

• Bは前脛骨筋・は下腿前面部にあり、経絡の流れとは一致しません。

  • Cは手の前腕にあり、経絡の流れとは一致しません。

• Dの腰方形筋はより深部にあり、経絡の流れとは一致しません。

3問:神経の支配

顔面神経が支配する筋はどれか?

A. 咬筋

B. 側頭筋

C. 眼輪筋

D. 胸鎖乳突筋

正解:C. 眼輪筋

解説

顔面神経(第VII脳神経)は、表情筋を支配する神経です。

• 眼輪筋(がんりんきん)は目の周りを囲む筋で、顔面表情を作る重要な筋肉。

• AとBの咬筋・側頭筋は三叉神経(第V脳神経)の運動枝が支配。

• Dの胸鎖乳突筋は副神経(第XI脳神経)の支配を受けます。

4問:リンパの流れ

右足からのリンパの最終的な流入先はどこか?

A. 右リンパ本幹

B. 胸管

C. 右鎖骨下静脈

D. 腋窩静脈

正解:B. 胸管

解説

リンパの最終的な流れは、左右で異なります。

右上半身(右頭部・右上肢・右胸部) → 右リンパ本幹 → 右静脈角へ

それ以外(左側および下半身全体) → 胸管(thoracic duct) → 左静脈角へ

したがって、右足のリンパは胸管を通って左静脈角に注ぎます

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