理学療法士(PT)国家試験では、「運動器」「中枢神経」「循環器」などの分野で、解剖学の理解が問われます。
ここでは、本試験の傾向に合わせた【4択問題+詳しい解説】をご紹介します。
学生さん・受験生の復習用にぜひご活用ください!
第1問:筋の機能に関する問題
腸腰筋の主な作用はどれか?
A. 股関節の内転
B. 股関節の外旋
C. 股関節の屈曲
D. 骨盤の後傾
正解:C. 股関節の屈曲
解説
腸腰筋は、大腰筋と腸骨筋からなり、股関節の強力な屈曲筋です。歩行や階段昇降など日常動作に深く関与します。
• Aの内転は内転筋群(長内転筋など)
• Bの外旋は外旋六筋(梨状筋など)
• Dの骨盤後傾にはハムストリングスや大臀筋が関与します。
第2問:神経支配に関する問題
前脛骨筋を支配する神経はどれか?
A. 坐骨神経
B. 総腓骨神経
C. 深腓骨神経
D. 脛骨神経
正解:C. 深腓骨神経
解説
前脛骨筋は、下腿前面にある筋で、足関節の背屈と内反を行います。
この筋を支配するのが**深腓骨神経(しんひこつしんけい)**です。
• 総腓骨神経は深腓骨神経と浅腓骨神経に分かれる“上位”の神経
• 坐骨神経はさらに大元の神経で、総腓骨神経と脛骨神経を含む
• 脛骨神経は下腿後面の筋群(腓腹筋・ヒラメ筋など)を支配します
第3問:関節構造に関する問題
膝関節の安定性に最も寄与する靭帯はどれか?
A. 前十字靭帯(ACL)
B. 後十字靭帯(PCL)
C. 外側側副靭帯(LCL)
D. 膝蓋靱帯
正解:A. 前十字靭帯(ACL)
解説
膝関節の前方安定性に関わる最も重要な靱帯が**前十字靱帯(ACL)**です。
特に前方引き出し現象(脛骨が大腿骨に対して前方へズレる動き)を防ぎます。
• PCLは後方への安定性
• LCLは内反に対する安定性
• 膝蓋靱帯は大腿四頭筋と脛骨をつなぐ構造物で、安定性への寄与は比較的少なめ
第4問:脳の解剖に関する問題
運動の指令を出す脳領域はどれか?
A. 小脳
B. 一次運動野
C. 一次体性感覚野
D. 視覚野
正解:B. 一次運動野
解説
**一次運動野(ブロードマン4野)**は、脳の前頭葉にあり、運動の計画・実行行う。
• Aの小脳は運動の調整(協調・平衡)を行う
• Cの一次体性感覚野は感覚入力の処理(頭頂葉)
• Dの視覚野は後頭葉にあり、視覚情報を処理する領域です。
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