京都府に浸かりのある北川 進先生がノーベル化学賞を受賞されました。その研究内容を、専門知識がなくても大丈夫なようにまとめました。
🧪 北川 進先生の研究は一言でいうと?
「気体をスポンジのように吸い込み、自由に出し入れできる新材料(MOF)を開発した」
これにより、水素エネルギー・天然ガス貯蔵、CO₂回収、環境浄化など
未来の環境・エネルギー技術に直結する大発見となりました。
🧱 MOFって何?
MOF(多孔性金属錯体)とは…
▶ 金属 + 有機物でできた “分子レベルのレゴブロック”
これを組み合わせると、ナノサイズの【 均一でキレイな穴(細孔)】が無数にできる材料になります。
▶ その特徴は?
• とにかく“穴だらけ”で表面積が驚くほど大きい
• その穴の大きさや形を自由に設計できる
• 気体を大量に吸い込んだり、選んで取り込める
つまり
「分子を捕まえる・分ける・蓄える」ための最強のスポンジのような素材です。
🌬 何がすごいの?世界が驚いたポイント
北川先生は、
▶ MOFの穴(細孔)に気体を大量に取り込めることを初めて証明した
特に
• 水素
• 天然ガス
• 二酸化炭素
などを効率よく吸着できることを示し、
この発見がきっかけで、世界中でMOF研究が爆発的に広がりました。
🌍 MOFでできること
① 水素や天然ガスの大量貯蔵
→ 水素自動車や燃料電池の普及に必須の技術
② CO₂の吸収(地球温暖化対策)
→ 発電所・工場から出るCO₂を選んでキャッチ
③ 空気・水の浄化
→ 有害分子だけを選んで除去
④ 化学反応の効率化(触媒)
→ MOFの中で反応させることで、省エネ・低環境負荷に
⑤ 薬の放出制御(ドラッグデリバリー)
→ 穴の中に薬を入れて、必要な場所で放出
✔️ まとめ
• 北川進先生は ナノ穴だらけの新素材「MOF(多孔性金属錯体)」を開発
• MOFは 気体を大量に吸収・貯蔵・分離できる“分子のスポンジ”
• 水素エネルギー、CO₂回収、環境浄化など、多くの分野で応用
• 世界中の研究者がMOFを使った新技術開発に参入するきっかけに
🏛 京都府が支援している技術
京都府は北川先生の技術を活かした企業・研究の実用化を後押ししています。
① 次世代免疫制御剤の開発
(京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業補助金)
MOFを薬の「運び屋」として利用し、
免疫を調整する薬を効率よく届ける技術の開発を支援。
② 次世代高圧ガス容器『CubiTan(キュビタン)』の開発
(地域産業育成産学連携推進事業)
MOFで気体を大量に吸蔵できる性質を利用して、
水素・天然ガスを安全&コンパクトに運べるガス容器を開発。
→ 水素社会の実現につながる重要技術。
③ MOF技術の応用研究・産学連携支援
(「企業の森・産学の森」推進事業)
企業と大学が連携して、
• 環境浄化
• ガス分離
• エネルギー貯蔵
などの新事業を育成。

