長年、高齢者を中心に膝の痛み・歩行障害を引き起こす 変形性膝関節症(膝OA)
これまではヒアルロン酸注射や薬物療法、リハビリが中心で、症状の緩和が目的の治療が多く選ばれてきました。
しかし 2026年1月1日より、「自家培養軟骨(JACC/商品名:ジャック)」が公的医療保険の対象として保険収載され、治療の選択肢が大きく変わりました。
◼️ 「自家培養軟骨」とは?
自家培養軟骨(Autologous Cultured Cartilage) は、患者自身の軟骨細胞を使い、工場で培養して作られる再生医療製品です。
この治療は、日本で初めて 変形性膝関節症の軟骨欠損修復を目的に保険適用された再生医療製品となりました。
特徴
⚫︎ 患者自身の細胞を使うため 免疫拒絶が起こりにくい
⚫︎ 従来不可能とされた大きな軟骨欠損も修復可能
⚫︎ 保険適用により身近な治療選択肢へ
◼️ どんな人に使えるの?
2026年1月から保険適用されたのは、以下のような条件の方が適応
✔️ 運動療法などの保存療法で症状が改善しない
✔️ 軟骨欠損面積が2平方cm以上の欠損部位がある
※いずれも医師が適正と判断した症例に限られます。
◼️治療の流れ(ポイントで解説)
この治療は2段階の手術+培養プロセスで行われます。
1. 軟骨採取(1回目の手術)
膝関節内の比較的健康な軟骨を少量採取。
2. 培養工程(約4週間)
採取した細胞を専門施設で培養し、ゲル状の軟骨組織を作成。
3. 移植(2回目の手術)
培養した軟骨を欠損部に移植し、固定して治療。
術後はリハビリや荷重制限を行いながら回復を目指します。
◼️従来治療との比較
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治療法 |
目的 |
特徴 |
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ヒアルロン酸注射 |
痛みの緩和 |
通院で済むが根本改善は難しい |
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薬物療法・リハビリ |
症状改善 |
進行抑制が中心 |
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自家培養軟骨(ジャック) |
軟骨欠損の修復・改善 |
根本治療が目指せる |
◼️気になる費用・負担は?
保険適用になったことで治療費の自己負担が大幅に軽減されています。
⚫︎治療総額(保険診療ベースの算定例):
・軟骨組織輸送セット:約100万円
・培養軟骨パッケージ:約189万円 合計:約289万円
治療費の目安(1膝あたり・保険診療)
▶保険3割負担の場合 約 90万円
高額療養費制度を利用場合は1ヶ月あたり 約6万円〜25万円前後
▶ 保険1割負担の場合(後期高齢者など)約29万円
高額療養制度を利用する場合は1か月あたり 約6万円〜15万円前後
(※年齢・所得区分によって上限額は変わります)
◼️再生医療としての意義
膝の軟骨は自然治癒が困難で、欠損が進むと人工関節置換術など大きな手術が必要になるケースも珍しくありません。
今回の保険適用は「根本的な改善を目指す治療が社会保険の下で受けられる」ようになったという点で、医療的意義は大きいと評価されています。
まとめ:日本の膝OA治療は選択肢が大きく進化
変形性膝関節症の保険適用治療として「自家培養軟骨(ジャック)」が利用可能になったことで、
✔ 痛みの緩和だけでなく
✔ 軟骨の修復・根本改善が可能な治療が
国の医療保険の下で受けられる時代になりました。
「年だから仕方ない」と諦めていた患者さんにとって、大きな希望の一歩と言えるでしょう。
もっと詳しく知りたい方はJ-TECホームページをご覧ください。

